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4545どちらかといえば、俺は賢いLLMによる社会や仕事の変化を好意的に受け止めている人間だと思う。LLMによって便利になったものは数知れないし、何より手が足りず、速度が足りず出来なかったこと、思いついても時間が足りず作れなかったもの、そういったものをLLMを使ってものすごいスピードで実現できるようになった。動くものを作ること自体の楽しさはLLMの出現によっても特に奪われた気はしておらず、むしろ増幅しているようにさえ思われる。来たるロボットの台頭へ抵抗するニンハイマーに同情の目を向けるキャルヴィン博士としての自分がそこにはいる。
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47- ただいっぽうで、俺が数年のプログラマ人生を送るうえで得てきた幸福のうち、LLMによってすでに失われた部分があるのもまた確かなのである 。何も知らない領域のコードを書く。ユースケースを知る。テストを書いて入出力の構造を試行錯誤する。構造を見抜いてよりよい抽象を考え、またテキストに落とし込む。適切で一貫性のある命名にこだわる。そういう行為の繰り返しから得られるもの 。それはある意味で文芸的で、またある面ではパズル的な趣のある行為であり、コンパイルしたあとには残らない人間のための抽象、それを表すテキスト列を病的なこだわりでこねくり回す行為であった。自分が書いたもの自体やそれの動作を発見することによってメンタルモデルが更新されていく感覚、テキストあるいは構文木の手ざわりが自分の理解に及ぼす影響、それをさらに手元にフィードバックしていく、そういう直接的で対話的な、そして内省的かつ個人的な学習の愉しみであった。LLMによってそれが全部なくなったとまでは言わない、もっと大局的な場所に楽しさが移ったのだと思うことはできる。でもニンハイマー教授の叫びもその足掻きも、俺は確かに知っているものとして読んだのだった。
47+ ただいっぽうで、俺が数年のあいだプログラマとしての人生を送るうえで得てきた幸福のうち、LLMによってすでに失われた領域があるのもまた確かなのである 。何も知らない領域のコードを書く。ユースケースを知る。テストを書いて入出力の構造を試行錯誤する。構造を見抜いてよりよい抽象を考え、またテキストに落とし込む。適切で一貫性のある命名にこだわる。そういった行為の繰り返しから得られるもの 。それはある意味で文芸的で、またある面ではパズル的な趣のある行為であり、コンパイルしたあとには残らない人間のための抽象、それを表すテキスト列を病的なこだわりでこねくり回す行為であった。自分が書いたもの自体やそれの動作を発見することによってメンタルモデルが更新されていく感覚、テキストあるいは構文木の手ざわりが自分の理解に及ぼす影響、それをさらに手元にフィードバックしていく、そういう直接的で対話的な、そして内省的かつ個人的な学習の愉しみであった。LLMによってそれが全部なくなったとまでは言わない、もっと大局的な場所に楽しさが移ったのだと思うことはできる。でもニンハイマー教授の叫びもその足掻きも、俺は確かに知っているものとして読んだのだった。
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49- ニンハイマー教授とキャルヴィン博士のやりとりを引用しておく。
49+ 最後に、 ニンハイマー教授とキャルヴィン博士のやりとりを引用しておく。
5050彼らが誰だかわからない人向けに補足しておくと(遅い)、ニンハイマー教授はロボットの台頭をどうにかしたい人間、キャルヴィン博士はロボットを開発する企業側の人間である。以下の引用はニンハイマー教授の台詞から始まる:
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5252> 「(前略)陶工が頭の中の作品だけで満足すると思うのか?アイディアだけで充分だと思うのか?陶土の手ざわりとか、頭と手がいっしょになって作品が出来あがっていくのを見守るというようなことになんの意味もないというのか?そういう過程がアイディアを修正したり改良したりするフィードバックとして役立たないというのか?」
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6060引用出典:アイザック・アシモフ『ロボットの時代 決定版』小尾芙佐訳、早川書房〈ハヤカワ文庫SF〉、2004年
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62- ## さいごに
62+ ## 追記
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6464アシモフの作品をもっと読みたくなり探したところ、どうやら『コンプリート・ロボット』という本があるようだ。当時の出版時点までに書かれたアシモフのロボットSFをすべて含む本らしい。絶版っぽいが入手できたら読んでみる。
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