この章で進めてきたGitの基本に関する説明を終える前に、ひとつヒントを教えましょう。Gitの使い勝手をシンプルに、簡単に、わかりやすくしてくれる、エイリアスです。
Git は、コマンドの一部だけが入力された状態でそのコマンドを自動的に推測することはありません。
Git の各コマンドをいちいち全部入力するのがいやなら、 git config でコマンドのエイリアスを設定することができます。
たとえばこんなふうに設定すると便利かもしれません。
$ git config --global alias.co checkout
$ git config --global alias.br branch
$ git config --global alias.ci commit
$ git config --global alias.st statusこうすると、たとえば git commit と同じことが単に git ci と入力するだけでできるようになります。
Git を使い続けるにつれて、よく使うコマンドがさらに増えてくることでしょう。
そんな場合は、きにせずどんどん新しいエイリアスを作りましょう。
このテクニックは、「こんなことできたらいいな」というコマンドを作る際にも便利です。 たとえば、ステージを解除するときにどうしたらいいかいつも迷うという人なら、 こんなふうに自分で unstage エイリアスを追加してしまえばいいのです。
$ git config --global alias.unstage 'reset HEAD --'こうすれば、次のふたつのコマンドが同じ意味となります。
$ git unstage fileA
$ git reset HEAD -- fileA少しはわかりやすくなりましたね。あるいは、こんなふうに last コマンドを追加することもできます。
$ git config --global alias.last 'log -1 HEAD'こうすれば、直近のコミットの情報を見ることができます。
$ git last
commit 66938dae3329c7aebe598c2246a8e6af90d04646
Author: Josh Goebel <dreamer3@example.com>
Date: Tue Aug 26 19:48:51 2008 +0800
test for current head
Signed-off-by: Scott Chacon <schacon@example.com>Git が単に新しいコマンドをエイリアスで置き換えていることがわかります。
しかし、時には Git のサブコマンドではなく外部コマンドを実行したくなることもあるでしょう。
そんな場合は、コマンドの先頭に ! をつけます。
これは、Git リポジトリ上で動作する自作のツールを書くときに便利です。
例として、git visual で gitk が起動するようにしてみましょう。
$ git config --global alias.visual '!gitk'